【5日目:大朝日岳】



朝、4時半に起床。
やっぱり布団で眠れるというのは実に快適だった。
6時ごろ出発。


予定では、


日程:2008年8月6日
行程:朝日鉱泉〜鳥原山〜小朝日岳〜大朝日岳



日程:2008年8月7日
行程:大朝日岳〜平岩山〜御影森山〜朝日鉱泉


の1泊予定で出発。


ルートMAPはこちら→MAP




☆朝日鉱泉ナチュラリストの家


朝日鉱泉から出発するとき、一人の男性と会話が始まる。
私の車のナンバーを見て、遠くから来られたんですねという話から、
男性:「昨日宿泊したときに滋賀のご夫婦が来ておられて
おそらく今日下山して来られるはずです。
どこかですれ違うかもしれませんね。」

この男性はもともと中ツルピストン(往復で7時間くらい)で日帰りなので
トレランっぽい格好で出発。





えらい遠いなぁ〜(汗)





☆出発してすぐにある吊橋





錆びてて、結構揺れて恐かったです。





少しだけこんななだらかな道を歩いて・・・




ココが分岐。
ここからが、昨晩に小屋主さまからも説明があったけど、
登れど、登れどこんな急登続き。
黒板には「黙って登れ」と書いてあった。
勿論、黙って登った。

しかし、まぁ無風で暑い。
油断すると水の減りが早いのであまり飲まないようにする。

最低30分は続くと言われたけど、案外早くにこの急登を抜けた。


すると結構標高稼いだのに、一気に下った先に水場があった。





この水場で一人の男性が休憩中だった。
娘が私と同い年ということから会話が始まった。
100名山のうちもう96くらいを登っていて、
大朝日が97つめの山だという。

川で冷やしていたトマトを頂いた。
ごちそうさま♪




私:「では、先に行きます。ではまた大朝日小屋で!
抜かされるかもしれませんが^^;」

と言って、先に出発した。




そして、こんな道を登る。
鳥海山や月山と違って、粘土質のこういう道。
まだ樹林帯も抜けなくて、景色も見えなくてあまりテンションがあがらない。
さらに、無風、無風、無風
暑い、暑い、暑い。






ようやくこんな道が出てきて・・・
少し行くとこんな標識。






☆両端の紙の拡大図☆
  

トイレに行きたかったので鳥原小屋に寄って行く事に。




結構綺麗な避難小屋。

「一応ビール有り」

なかったよ(笑)





草木が低くなってきてそろそろ視界が開けそうだった。
晴れてて気持ちも良いです♪








こういう景色に癒されます。



そして鳥原山・・・と思われる場所に到着。
鳥原山は、ルートからちょっと入り込んだ限られたスペースみたいな場所があって、
その入り口を見逃すと通過してしまう可能性も。

ここで男性2人が休憩中。
地元の方らしく、プラムを頂いた。
これまたご馳走さまです。




目立った標識はなく、こんな三角点と思われるもの2つしかない。
私:「ここ、鳥原山ですよね?」
男性:「多分ね・・・」

結構なペースで歩いてきたので、ここで少し眺めの休憩を取った。
でも、水分は摂り過ぎないように注意して・・・

本当はがぶ飲みしたいくらいに暑くてたまらない。


鳥原山を出発して少しすると、青空は見えなくなり、
雲が下からどんどん上がってきた。




せっかく、樹林帯を越えたのに・・・
出発時はまだ天気が良かったのに。

私はガス女になってしまったか?
ガスの割には全然風がなくてめちゃめちゃ暑い





そして、こんな場所が続く。
地面が湿ってたりして、ちょっと滑りやすい。






なんだか・・・




荒れた道が多いなぁ〜
台風や地震の影響かなぁ?

歩いててちょっと疑問が出てきた…
私は、小屋泊自炊の荷物+カメラを持って歩く…が、
みんなマットを持って歩いている…何故だ??
さほど気にせず、歩いていたら
ある人との話の流れで朝日小屋が避難小屋だということが発覚した
まぢっすか???!!!

しかも、ここ最近は人数多くてかなりぎゅうぎゅうとのこと。
予備の毛布はあるとの情報をもらって、それを確保すべく目的地、大朝日へ急ぐ。






小朝日岳と思われる場所に到着。
(虫ととんぼの多さは相変わらず。写真にもこんなに写るほど。)

やっぱりここにも「小朝日岳」と書いた標識もなければ、標高も書いていない。
周りの人たちも「ここが小朝日だよね?」
などど話している。

さっきもそうだったけど、むしろ、



行き先への案内標識の方がしっかり文字が読める。


小朝日過ぎたところくらいで、出発前に話した男性と出会った。
私:「あれ?中ツル往復ではなかったですか?」
男性:「ずっと沢で景色も楽しくないから、帰りはこっちから下ることにしました。」
男性:「あ!そうだ!さっき滋賀出身の老夫婦とすれ違いましたよ。
もうすぐこの道を下りてくるはずです。」


そして、しばらくすると、ニコニコしてこちらを向いて下山してくるご夫婦に出会った。
「もしかして、アナタですか?滋賀出身の女性は。」
「はい、そうです。」
ご夫婦:「さっき、一昨日ナチュラリストの家で一緒に宿泊していた男性が教えてくれたわ。
今日はナチュラリストの家に泊まって、そしてもう明日帰るのよ。」
私:「そうですか、道中長いんでお気を付けて!それにしても暑いですね。水が持つかどうか・・・」
ご夫婦:「もう少し行くと、銀玉水っていうとーーーっても冷たくて美味しい水場があったわよ。」


それを聞いて少し元気になる。





景色はずっとこんな感じでガスったり、ガスがほんの少しだけ晴れたりの繰り返し。

そして、遂にこの場所に到着☆





☆☆銀玉水☆☆

本当に冷たくて美味しい美味しいお水でした。
勿論、がぶ飲みしました。

生き返るぅ〜〜〜








大朝日までもうちょっと。





せっかくいいところを歩いているのに・・・




晴れていたらもっと最高だろうに・・・





大朝日小屋が見えてきた。


お花も沢山咲いていました。





晴れていたらもっと最高だろうに・・・


☆マツムシソウ





これは大朝日小屋の管理人さんが育てていたもの(笑)

大朝日小屋に到着。
管理人さんに
私:「大朝日小屋が避難小屋って知らなくて、
シュラフもマットも持ってきてないんです。
毛布か何かを貸してもらえるって聞いたんですが・・・」

管理人:「シュラフもマットもあるから貸してあげるよ。」

私:「あ、そうですか・・・ありがとうございます。とりあえず先に山頂行ってきます。」

と言いつつ、荷物を減らさずに全部持って大朝日岳に向かった








☆大朝日岳登頂!
(ちょっぴりモデル立ち・・・笑)

やっぱり虫も写ってます。
でも、ここの標識は立派でした。


さてはて・・・
避難小屋を覗いて…
とりあえず頂上まで行って…
私が下した判断は…


『降りちゃえ!!!』

実は頂上へ行くまでにもう決断はしていた。
ので、途中で何度も追いついたり追い越されたりしていたおじさんに、
「私はもう下るから水場で出会ったおじさんによろしく伝えて下さい」
とお願いしてきた。
娘さんと同じ歳ということで心配するといけないから。


朝日鉱泉に戻るルートは三つ。
@来た道を戻る。(これもアップダウンの連続)
A中ツルで帰る(一番最短。楽だが景色が良くない。)
B平岩山経由で帰る(一番遠い。いちばんしんどい←知らなかった・・・)

当初、一泊予定で考えてたルートはB番。
でも、これは行きと同様アップダウンの連続で一番なが〜〜いルート。
でも、行きよりもしんどいとは知らず、この道を帰ることにする。

大朝日を出たのは1時前。

このルートはただの下りではない。
稜線なので、山を越えては下り、越えては下り、

しかし、稜線歩きなのに周りの景色は全くなし。
ただただ義務のようにひたすら歩く。

この稜線、大朝日を出て、
平岩山→大沢峰→御影森山→上倉山
と4つもピークがあって、登っては下り、また登ってはせっかく登ったのにまた下り。
越えたと思ったらまた目の前に下り+ピークが現れる。




こんなにまでしんどいと思っていなかった。
御影森山でふと進んだ道が、あまりに通りにくい道で
ん?これはおかしいと思って引き返したら地図の点線ルートだった。
あぶない、あぶない。
これで暫く進んでしまっていたら大変なことになっていた。
御影森山から上倉山までは地図で1時間15分になっていたのに、
1時間経過しても、1時間半経過しても上倉山に到着しない。
だいぶ疲労もしてきて心細くなってきた。
なんで・・・(泣)
と思ったら、見えた!標識。




そんなに極端にペースダウンもしていないし、
地図のコースタイムよりは早く歩いているはずなのに、
これはちょっとおかしい気がした。
でもココを越えればあと1時間半。

しかし、かかとがかなり痛い。
多分ズル剥けだろうな・・・
だいぶ足ももつれてきた。
でもあまりゆっくりしていると日が暮れる・・・

下山してそのまま車で帰るのは不可能だと思い、
電波が届いたので途中でナチュラリストの家に電話して「今日も泊めてくださ〜い」
と聞いたらOKとのこと。

ここからは冷たいビールを励みに
「ビール♪ビール♪」
と口ずさみながら頑張る。

そしたら、吊橋が見えた!
もうすぐそこだ!




と思ったら、行きに通った吊橋とはまた違う吊橋だった。
はぁ〜まだか〜
とガッカリするや否や、

ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブン!!

アブ?ブヨ?なんなんだろ?
虫の大群に襲われた。

わーーーーーー(>_<)

っと叫びながら、全力疾走で逃げた。
走るだけでは、虫は顔、腕、腰、背中、おなかあらゆるところをチクチクと刺してくる。
虫が体に止まらないように手を大きく振り回しながらひたすら逃げた。
(火事場のクソ力ってこんな感じなのね。)

ようやく虫が少なくなったところで、次こそナチュラリスト前の吊橋が見えた。





結局私があるいた総時間

行き:朝日鉱泉→鳥原→小朝日→大朝日岳
(地図のコースタイム8時間)
帰り:大朝日岳→平岩山→御陰森山→朝日鉱泉
(地図のコースタイム6時間)

の1泊2日コースを1日で歩いた。
アップダウンの繰り返しの厳しいコースでした
しかも無風で暑くて…
13時間半かかった。
マジでしんどかった・・・
こんなことなら日帰り装備で行ったのに・・・





あそこまで行って帰ってきたんだな〜
しんどかったけど・・・
ちょっと達成感?



ナチュラリストの家に到着。

私:「ただいま戻りました〜。遅くなってすみません・・・」

「1泊予定でしたよね?どのルート歩いて来られたんですか?」

と小屋主さんに聞かれたので、
いきさつを説明すると、えらい勢いで驚かれた。
しかも、帰りに使用したルートは長くてしんどいからみんな倦厭するとのことらしい。


ビールが飲みたいので食堂で持参の食事をしていいか聞くとOKだったので、食堂へ。

しかしこの日のビールは人生の中で一番美味しかったかも!!

食堂には、登りに出会った滋賀からの夫婦がおられた。

今日、一日の経緯を説明すると、
水場でトマトをくれたおじさん、小朝日岳付近で水が尽きてしまい、
ザックの中身を広げて仰向けになって起き上がれなくなってしまっていたらしい・・・
ご夫婦:「グロッキーだったわよ。少し水を分けてあげたわ。」


大丈夫かな〜
ちゃんとたどり着けたかなぁ?
心配になった。


そんなこんなで、一応、
鳥海山、月山、大朝日は制覇した。


さぁ、関西へ帰ろう!!


という訳ではありません。
私が日帰りで大朝日から帰ろうと思ったのには、もう一つ理由がありました。

私の中でどうしてもあきらめきれないもの・・・


それは・・・


晴れの鳥海山


大朝日に登っている途中、携帯の電波が3本立っていたので、天気予報を見てみた。
すると明日から全国的に晴れの日が続く・・・
全国的に晴れと言うことは?

あの鳥海山も晴れるだろうか?
鳥海山の予報ももちろん晴れ・・・かなぁ?

いずれにしても1泊して下りてきたら
また日帰りで鳥海山へ行こうと思っていた。
でも、朝日の小屋が避難小屋だと聞いて・・・

朝日にいてもきっときれいな朝焼けに出会えたと思います。
でも、もう朝日にいても、心ここにあらず。


避難小屋情報は、私の心にアシスト☆

かかとはズル剥け!
顔と体は虫さされだらけ!
でも、行くぞ!晴れの鳥海山!!




ってことで、


6日目へ!!