針ノ木岳 BC

日程:2009年4月29日
山行仲間:単独


扇沢〜(作業道を経て)〜大沢小屋〜針ノ木大雪渓〜マヤクボ沢〜マヤクボのカール(来た道ピストン)
(マヤクボカールの上部で敗退)



日曜祝日、地方高速どこまで行っても1000円になって
とっても近く感じるようになった長野方面。

私の会社のGWは残念ながらカレンダーどおり。

そしたら単発祝日29日が晴れ予報。
これは出かけないと・・・

日帰りなのでBCがいいな。
頭に浮かんだのは、針の木岳。

しかし、BC仲間は予定会わず。
4月10日かそこら前後に扇沢の駐車場がOPEN。
以来、ずっと針ノ木雪渓を滑走したいと思っていたが、
その頃も仲間と予定合わず。


一人で行ってみようかな・・・


あまり難しいイメージはない。
が、夏にも登ったことがない。


しかも今回、初単独BC。
地形図眺めたり、インターネットで調べたり、行ったことのある人に念入りに話を聞いたり
大体の想像はついたけど、前日から緊張しっぱなし。

しかも週末の悪天候時には結構降雪があったはず。
それもしばらく降雪がなかった上への積雪。
雪崩の心配・・・

緊張はピーク、熱が出そう・・・
(なら行くなよ・・・とも思いながら・・・)



仕事終えてから、
名神→中央道→長野道をひた走り、10時半ごろ梓川SA到着。
3時半に起床して扇沢に向かい、
6時までには歩き出すようにしよう・・・

おやすみなさい。

3時半にアラームがなる。
いつもならパっと起きて準備にかかるが・・・
少し体調が悪くて面倒になってくる。
このまま帰っちゃおうかという気にさえ。
で、とりあえず、二度寝 zzz・・・(笑)

そして、4時半・・・ちょっとやばい(汗)

5時に梓川SA飛び出し、6時に扇沢到着。
急いで支度。

駐車場には何人かスキーの準備をしている人が見受けられた。

「みんな、立山BCかなぁ〜」

準備が出来てやっと出発できたのが7時・・・
遅すぎるでしょ^^;
針ノ木に行く人が居たとしてももうとっくに出発していると思っていた。
(でも実際は後から来た人の方が多かった。)

登山届を出そうと思ったら登山口手前に
北アルプス遭対協と書かれた有人のテントが設営されていた。
週末、鹿島槍方面と鳴沢岳で遭難事故があったからだろうか・・・?

前もって用意してきた登山届を提出。
週末の積雪で雪崩の可能性があるかを尋ねると、
強風のため、殆ど雪は積もっていないとのこと。
それを聞いて少しホッとしたが、クラックがあるかもしれないから
はまらないように気をつけて下さいと言われた。

積雪はなくとも、状況的にもレベル的にも
自分が怖い、危ないと思ったら引き返すことを自分と約束して・・・

さぁ、出発☆



☆この登山道よりも作業道を行く方が早い。



大沢小屋までは作業道を歩いた。
とても近道で大沢小屋まですぐに着いた。
前を歩いている人はほんの数人。
もっと人多いかと思ったけど・・・




☆大沢小屋付近



大沢小屋をこえてから、前を歩いていた人にどんどん近づいてきた。




☆針ノ木雪渓をどんどん上がる




☆針ノ木峠とマヤクボ沢の分岐で休憩



さて、ここからは針ノ木峠を目指すか、マヤクボ沢を攻めるか・・・

安全で稜線まで一番近いのは針ノ木峠。
でもそこから頂上までは距離がある。

滑走に魅力的で頂上に近いのはマヤクボ沢。
でも、急で峠よりも標高が高い。



☆針の木峠方面





☆マヤクボ沢方面



迷った結果、マヤクボのコルを目指すことにする。
分岐から先にマヤクボに進んだ人のトレースを辿ろうと思ったら、
急すぎて使えかったf^^;
しかも、その人はスキーアイゼンを付けていたし。


自分の進みやすい傾斜で、また、雪の不安定なところは避けながら
キックターンを何度か繰り返して自分でコース取りをした。


ところどころ、雪面がテカっているところがあって、凍っているのかと思ったら、
湿って崩れやすそうな柔らかい雪だった。

このエリアが拡大するとなだれが起こるのかなぁと少し怖かったので、
出来るだけ避けるようにして通った。




☆振り返れば鹿島槍


マヤクボ沢を上がってマヤクボカールの底に到着。
さてはて、ここで針ノ木岳を真ん中にして
左の斜面を上がるか、右の斜面を上がるかの選択。

マヤクボのコルは右側。
こっちの方が左よりも標高が低い。

よりオープンバーンで滑走が楽しそうなのは左側。
でも急で稜線までの標高がマヤクボのコルよりも高い。


結局、私が選んだのは左側の魅力的なオープンバーン。
これがある意味誤った判断だった。




☆ルンゼを登る3人パーティー

ここのルンゼは50度以上あるそうな。。。









登ってしばらくして・・・
「思ったより急だったなぁ〜(><)」



シールと雪面の接地面積が広くなるようにするには、直登が一番よい。
でも、これには限度がある。
なので、傾斜を緩くするために直登よりも少し板を斜めに向けてジグザグ上がる。
でも、板を少し横向けることによって、斜面に対して板の接地面積は狭くなる。
すなわちシールの抵抗が少なくなってしまう。


結局4分の1くらいいったところで板をどんな方向へ向けても滑るようになってしまった。
特に、テカテカ光っていたところは下と違って、上部でアイスバーン。
こんな状況で、もっと傾斜がきつくなってくるのに、
スキーアイゼンもないまま、
シールで登り続けるのはひじょーに怖かった。

そしてあまり急斜面になってからだとアイゼンに履き替えるのも困難になってくる。
もう、ここでアイゼンに履き替えて、板を担いでしまおう。


まだシール歩行に慣れていない私は、
荷物が重くなってもアイゼン、ピッケルの方が安心感があった。


初めは快調・・・
でも、そのうちラッセルは深くなり、そのうち膝くらいまでラッセル。
キックステップも三回くらい蹴りこまないと足場が安定しない。
しかも、いつもの登山靴と違ってスキーブーツでのけりこみ。


重いぃぃぃ・・・


登山靴より遥かに体力の消耗が数倍も早い。
もう稜線まで100mもないくらいなのに・・・
でも傾斜がキツイ。
全然進まない。


結構温かくなって雪が緩んでるから、昼過ぎに気温が冷えてきてから滑走すると
クラストした雪上の滑走になってしまう。


それはヤダ!!


こんな急斜面でクラストしてるバーンは恐すぎる〜

時、既に12時30分。
稜線も、頂上も諦めて、13時まで登ったところで
タイムリミットと自分で決めて登りました。

そして13時のタイムリミット。
後ろから来ていたおじさんのGPSで標高を見てもらうと、
マヤクボのコルより高いところまで来ていた。
マヤクボのコルの方へ行っていたら・・・今頃・・・
稜線に出て黒部湖や立山を眺められただろうに。。。
これが、先ほどの判断の誤りでした。



スキー板を装着☆

ざっと見下ろして・・・
スキーのゲレンデ経験からみて斜度は35度以上はあるバーン。
スキー場ではこんな斜度のコースないかな^^;

でも、何よりスキー板を履いている安心感。


いざ、滑降!!!
シールのトレース以外、ノートラックです!!


うお!

わお!

うほ〜!

うひょーー☆!!



4月下旬にしてパウダーです♪♪



そりゃ、トップシーズンのパウダーではないけれど、
フワフワ感覚は残っています。
しかも、ノートラックを滑る喜び♪


斜面的にはロングランでやっぱり正解☆


もっと続けて滑りたいんだケド、登りで結構足がパンパンですぐに足が疲れてしまう(><)




真ん中にズドーンとあるトレース。
これ、私の努力の賜物。
今、登っているお二人には通行料を貰わねば。。。









☆こんなデブリも。




つわものどもが・・・




夢の跡・・・


もう沢山の滑走跡でいっぱいの針ノ木雪渓になりました。




帰りは薬師の湯に立ち寄って汗を流すものの、
疲労しすぎてて、温泉入りながら、
はぁはぁと呼吸が整いませんでした^^;


今回のバックカントリー。
決して、一人で行きたかった訳じゃない。

シーズンが限られているから、逃してしまう前に
一人でも針ノ木に行きたかっただけ。

お天気最高、雪質もパウダーで最高、斜面も面白くて最高☆

でも、周りにどんなに人が居ても、
やっぱり単独には変わりがないから、終始かなり緊張していた。
だから、いちばん嬉しかったのは無事で帰って来れたことなのかも。



「今回単独で行けたから、次も単独で行ってみたいな!」

とは全然思わない。

やっぱり、一人じゃ怖いよ。
バックカントリーは。。




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